ダイエットをするうえで、基本になるのが基礎代謝。どんなダイエット方法にも必ず出てくる単語です。基礎代謝の意味がわからないとダイエットが失敗に終わるどころか、成功してもすぐにリバウンドしてしまう可能性が高いです。
ダイエットは基礎代謝なしでは成功しません。基礎代謝について学びましょう。
- この記事は、こんな方におすすめです。
- 基礎代謝を上げるトレーニングをしてもやせれない方
- ダイエットを成功させたい方
- ダイエットを成功させた後も体型をキープしたい方
- 体に脂肪がつきはじめている方
- 健康な体に近づきたい方
基礎代謝の基本知識
基礎代謝とは、人間が生命を維持するうえで最低限必要なエネルギーです。生命の維持とは、呼吸することや内臓の活動や体温維持など生きていくためのことを指します。
基礎代謝を簡単に言うと、何もせずとも、じっとしているだけで消費されるエネルギーのことだよ。
基礎代謝は体の様々な部位でおこなわれています。

じっとしていてると筋肉系はあまりエネルギーを消費しませんが、基礎代謝全体の約4割は筋肉で消費されているのがわかります。これは、筋肉系が体温維持のためにエネルギーを消費しているからです。
筋肉は、常に私たちの体温を一定に保つためにエネルギーを消費し続けています。
以上が、基礎代謝の基本知識です。
もっと、ダイエットのために基礎代謝の正しい知識が知りたい!という方は、続きを読んでください。きっとダイエットに役に立ちます。
ダイエットをするうえで知っておくべき「基礎代謝」
筋肉系は、体温維持にエネルギーを消費します。体温維持は体の表面積が関わりますので、基礎代謝は体表面積・除脂肪体積と相関が高いです。基礎代謝量は年齢・性別が同じであれば体の表面積にほぼ比例します。
体の表面積は測定が難しいので近似値として、体重当たりの基準値が広く用いられています。
性別 | 男性 | 女性 | ||||
年齢 | 基礎代謝 基準値 (kcal/kg/日) | 参照体重 (kg) | 基礎代謝量 (kcal/日) | 基礎代謝 基準値 (kcal/kg/日) | 参照体重 (kg) | 基礎代謝量 (kcal/日) |
15-17歳 | 27 | 59.7 | 1610 | 25.3 | 51.9 | 1310 |
18-29歳 | 24 | 63.2 | 1520 | 22.1 | 50 | 1110 |
30-49歳 | 22.3 | 68.5 | 1530 | 21.7 | 53.1 | 1150 |
50-69歳 | 21.5 | 65.3 | 1400 | 20.7 | 53 | 1100 |
70歳以上 | 21.5 | 60 | 1290 | 20.7 | 49.5 | 1020 |
一般的に加齢に伴って基礎代謝量は低下します。その主な理由として筋肉などの除脂肪量の低下があげられます。また、一般に男性の方に比べ女性の方は筋肉量が少ないので基礎代謝量が低くなります。
また体を動かす筋肉は、20歳をすぎると年間で0.5%ずつ減っていき、50歳以降は年間1%程度の割合で減っていくといわれています。
「なんだ~年間0.5%ずつかぁ~」と思ったそこの君!
筋肉量が40歳になると20歳時の9割程度になるってことだよ!1割もなくなるんだよ!
ピンとこない君!具体的数値で言うと、毎年約1kgずつ減っていくとも言われてるんだよ。
40歳にもなると20歳のころより筋肉量は減っています。となると、除脂肪量も当然減っていきます。言い換えると、年齢を重ねるたびに太りやすい体になっていくということです。
さらに不規則な食生活、睡眠不足、暴飲暴食を繰り返すことにより太りやすい体質を形成すると、加速度的に太っていく傾向にあります。
次から、すごく大事なことを言うよ!
「筋肉量を増やせば基礎代謝が上がるということです!基礎代謝が上がればやせることができる!」これ、ダイエットでよく言われる定番セリフでもあり、多くの方が間違って認識していることです。
基礎代謝が上がっても、効果的にやせることはできません!!
うっそ~!
なんでよ!ダイエットでは基礎代謝があがることで、やせれると思っていたよ!
だから筋肉トレーニングしていたのに~!
基礎代謝を上げることは悪いことではないです。ましてや筋肉トレーニングは体にいいことですので、続けてください。

基礎代謝が上がってもやせれない理由
基礎代謝を上げてもやせれない理由は、簡単です。活動的でない方の場合は、一日の消費エネルギーの約7割が基礎代謝です。そのうち約4割が筋肉で消費されるわけです。
約4割も筋肉が占めているから筋肉が増えればやせそうだけど…。
そうですね。上記の説明だとそう感じるのは当たり前です。では、なぜ筋肉を増やして基礎代謝を上げても効果的にやせないのかというと、「筋肉の基礎代謝」のみに注目するとわかります。
活動的でない方の場合は、一日の消費エネルギーの約7割が基礎代謝で、そのうち約4割が筋肉で消費されるので、「筋肉の基礎代謝」は一日のエネルギー消費の約3割(0.7×0.4)になります。
ここで、もし筋肉量が10%増えたとしたら(容易ではないですが…)エネルギー消費量は約3%(0.7×0.4×0.1×100)しか増えません。ちなみに、筋肉が1kg増えると基礎代謝が13kcalアップしますが、適切なトレーニングと栄養管理があっても筋肉を1kg増やすのは容易ではありません。筋肉トレーニングしている方なら筋肉量が増えにくいのは実感しているはずです。
有酸素運動をおこなうと脂肪が減り、脂肪率が下がります。そうなると筋肉の占める割合が増えるので数字の見かけ上、筋肉が増えたように見えます。
これが、筋肉量が増えたと誤解するところです。
いよいよ本題です。
身体活動レベル「その人が活動的な生活をおくっているかどうか」が、厚生労働省から日本人の栄養所要量として生活活動強度の区分(目安)が表記されています。これによると、日常生活や仕事の過ごし方で、生活活動強度をⅠ「低い」、Ⅱ「やや低い」、Ⅲ「適度」、Ⅳ「高い」と分けており、それぞれ一日の消費量は、基礎代謝の1.3倍、1.5倍、1.7倍、1.9倍とされています。
ダイエットをされている方は運動を1時間していると思いますので、生活活動強度は「適度」で一日の消費量は基礎代謝の1.7倍となります。普段の生活は、大部分の方が生活活動強度Ⅱ「やや低い」の1.5倍になるはずです。
生活活動強度を「やや低い」から「適度」に上げるだけで、エネルギー消費が約13%( [(1.7-1.5)/1.5]×100 )アップします。
さっき言っていた、「筋肉量が10%増えたとしたらエネルギー消費量は約3%しか増えません」と比べると、約4.5倍も消費している!!
そういうことです!
「筋力トレーニングをおこなって筋肉量が増えたら基礎代謝が上がるため、効果的にやせることができる」という説がありますが、「基礎代謝」が上がるのではなく、筋力がついて、生活活動強度があがるためにやせるということになります。

まとめ
なんだか、難しいことを述べてしまいましたが、ご理解していただけたでしょうか。
ダイエットのために運動されている方の中には、基礎代謝を頑張って上げている方もおられると思います。悪いことではありません。ただ、効率的にやせるなら、適度な運動を毎日おこない筋力をつけたほうが結果につながるということです。
では、なぜダイエットでは基礎代謝を大事にするのかというと、先に述べた通り「太る原因の一つに筋肉減少による基礎代謝の低下がある」があります。これだけを聞くと「やせるには筋肉を増やし基礎代謝を上げる=基礎代謝を上げるとやせる」と誤認してしまいます。そうではなく、運動することで筋力がつくと同時に脂肪が減っていき、かつ運動によって普段の生活よりエネルギー消費が約13%以上アップすることで、効率よくやせることができるということです。
筋肉が増えることで体の表面積が少し大きくなります。これにより基礎代謝がアップし除脂肪効果が期待できるともありますが、身についた脂肪を除去するのではなく、余分な脂肪がつかないようになるが正しいです。筋肉が増えて、太りにくい体になるとういことです。
基礎代謝は、やせるために身につけるのではなく、太らないようにするためにあるってことね。
- ダイエットを成功させるためには、減少した筋力をつけるトレーニングと有酸素運動をおこなう。
- トレーニングをおこなうことにより、脂肪を燃焼させる身体を手に入れる。
- 必然的に基礎代謝が上がり、脂肪がつきにくい身体ができあがっていく。
- 同時に生活習慣を見直し、食事管理をしていく。
多くの方が、1で迷走してしまい2にたどり着けません。また、2ができたら3を目指してください。でないと、リバウンドしてしまいます。そして、食事管理をし適度な運動をすることで、メリハリのある身体をキープできます。
長い道のりですが、それがダイエットです!
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