ビタミンB6を摂っていますか?筋肉をはじめタンパク質を合成するには欠かせないビタミンです。
太らないために筋肉をつける運動をしても、ビタミンB6が不足していると筋肉の合成は行われません。
それどころか、ビタミンB6が不足すると口内炎、貧血、手足のしびれ、妊娠中などには欠乏症が出る恐れがあります。
ダイエットにも身体の成長にも欠かせない重要なビタミンB6のお話です。
ビタミンB6って?
ビタミンB6はタンパク質を分解、合成して身体をつくってくれます。このおかげで、筋肉などをつくり、脳と神経を正常に保ち、脳の興奮を鎮めます。
ビタミンB6によって、もっと働けるようになるってことね。
だから、栄養ドリンクや栄養錠剤(アリ〇ミンVとかね)は、ビジネスパーソンが愛飲するのね。
ビタミンB6の働き
ビタミンB6はタンパク質を分解、合成する
ビタミンB6はタンパク質を分解してエネルギーに変え、分解したアミノ酸で筋肉、血液、ホルモン、抗体などをつくります。
タンパク質の合成は、必要なアミノ酸がそろわないと合成できません。不足すると筋肉などから不足しているアミノ酸を合成する働きが起こります。なんだか矛盾していますね。ですので、分解される分のタンパク質もしっかり摂らないといけません。
トレーニング前にタンパク質を摂るのは、これが理由の一つでもあります。
糖質制限(炭水化物制限)されている方は、タンパク質の分解によって体内で糖を合成しています。(糖新生と言います)ですので、糖質制限中はタンパク質をたくさん摂るように指導されます。ライ〇ップさんのダイエット方法はこれになりますね。
糖質ダイエットで運動されている方なら、タンパク質は体重に対し1.4~2.0g/kg摂るのがよいとされています。しかし、一度に摂るタンパク質は、20g/回が体には限界のようです。
糖新生(とうしんせい、gluconeogenesis)とは、ヒトや動物が、グルカゴンの分泌をシグナルとして、ピルビン酸、乳酸、糖原性アミノ酸、プロピオン酸、グリセロールなどの糖質以外の物質から、グルコースを生産する手段・経路である。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ビタミンB6は脳を正常に保ちGABAをつくります
ビタミンB6は神経伝達物質の合成を助け脳を正常に保ちます。
GABA(アミノ酸の一種で脳の興奮を鎮める)もそのひとつで、リラックス効果や血圧を下げる効果が期待されています。
ビタミンB6のおかげで、すばやく頭を働かせたり、すばやく動くように脳から指示がでます。この働き、意外とダイエットや筋肉トレーニング、ランニングなどの運動に影響しますよ。
甘くて美味しい食べ物の誘惑にも勝つためには、ビタミンB6で正しい判断ができる脳をつくりましょう。

ビタミンB6を過剰摂取と不足
ビタミンB6は身体をつくるのに非常に大事なビタミンです。しかしながら、過剰に摂取したり不足したりすると身体に悪影響を及ぼすことがありますので要注意するビタミンでもあります。
ビタミンB6を摂り過ぎると…
必要以上のビタミンB6は尿に排出されますが、ビタミン剤やサプリメントで大量摂取をし続けていると、腎臓結石や手足のしびれ、手足の痛みを起こすことがあります。
ビタミンB6は水溶性ビタミンだからといって安心していると、エライ事になりますので上限量は確認するようにしましょう。後で、摂取量について解説させていただきます。
疲れていると、どうしても頼りたくなるのが栄養ドリンクやビタミン栄養錠剤です。必ず、用法用量は守ってくださいね。これらを飲用しても改善がみられないようであれば、お医者さんで診てもらうのが賢明ですよ。
身体があっての仕事ですから…。
睡眠を見直してみるのも身体にとってはいいことですよ。その日の疲れはその日にとるようにしましょうね。
過剰源となる食品は、通常の食品で、可食部100g当たりのビタミンB6含有量が1㎎を超える食品は存在しません。通常の食品を摂取している方で、過剰摂取による健康障害が発現したという報告はないようです。
ビタミンB6が不足すると…
ビタミンB6は、腸内細菌がつくることもできますので欠乏症になることはありません。しかし、妊娠中や抗生物質を長く服用していると不足に注意してください。
不足すると、口内炎、口角炎、結膜炎、脂漏性皮膚炎、手足のしびれ、貧血などの症状がでます。
また、成人ではビタミンB6が不足すると、うつ病、錯乱、脳波異常、痙攣発作が起こるときがあります。

ビタミンB6の意外な働き
ビタミンB6はタンパク質をエネルギーに変えるほかに、脂質をエネルギーに変えますので、脂質をたまるのを防ぎます。近年の研究で、ビタミンB6が脂肪肝の予防に一役買っているのがわかりました。
アルコールを飲みすぎておこるアルコール性脂肪肝は、肝臓が中性脂肪の処理よりアルコールの処理を優先するために、脂肪がたまっていきます。この脂肪の処理を助けるのが、ビタミンB6です。なんと、すでに脂肪肝になっている場合でも、ビタミンB6が治癒効果を上げているといわれています。
毎日、毎日アルコールを多めに飲んでいる方は、休肝日を設けていただくといいかなぁ。
どうしても飲みたいときは、ランニングしてみてください。アルコールのことなんか忘れますよ!あっランニングが終わったらビールとかダメですからね、まずは水分補給を十分にしてから、プロテインを飲む!これだけでお腹も満たされてアルコールいらずです!
また、1997年には初めて、ビタミンB6が大腸がんの予防因子であることが報告されていますので、がん予防の効果にも期待できます。

ビタミンB6の摂取基準
厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、上限値で成人男性が50~60㎎/日、成人女性が40~45㎎/日となっています。
厚生労働省の報告では、タンパク質の摂取量が多い方や、食事制限でエネルギー摂取量不足で、タンパク質・アミノ酸の異化代謝が亢進している方は必要量が増えることがわかっています。
ちょっと難しいよね。
ダイエット中(特に糖質制限、カロリー制限)の運動は、中性脂肪やタンパク質を分解して活動に必要なエネルギーを得ることでやせるよね。このエネルギーの変換を異化代謝と言います。「亢進」とは、度がすぎることを指します。
簡単に言うと、糖質制限中やカロリー制限中は、場合によってはビタミンB6の必要量が増えるということです。
厚生労働省が報告しているビタミンB6の食事摂取基準の表がありますので、参考にしてみてください。

サプリメントやビタミン剤を摂取している方は、摂り過ぎていないか確認しましょうね。
用法用量に書かれている指示にしたがってください。改善されない場合は、一度お医者さんに診てもらいましょう。

ビタミンB6を含む食品
魚にはビタミンB6を多く含むものがあります。
食品成分 | 重量 | ビタミンB6 | エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 |
g | mg | kcal | g | g | g | |
かつお/春獲り、生 | 100 | 0.76 | 114 | 25.8 | 0.5 | 0.1 |
しろさけ/焼き | 100 | 0.57 | 171 | 29.1 | 5.1 | 0.1 |
まさば/焼き | 100 | 0.54 | 318 | 25.2 | 22.4 | 0.4 |
さんま/皮つき/焼き | 100 | 0.42 | 313 | 23.3 | 22.8 | 0.2 |
ぶり/成魚/焼き | 100 | 0.38 | 304 | 26.2 | 20.4 | 0.3 |
くろまぐろ/赤身、生 | 100 | 0.85 | 125 | 26.4 | 1.4 | 0.1 |

左から、かつお、しろさけ、まさば、さんま、ぶり、くろまぐろだよ。
こうやって見ると、「かつお」と「くろまぐろ」は超優秀だね。
魚はすごいですね。
ビタミンB6を豊富に含み、しかも高タンパク質で低炭水化物!ダイエットにもってこいの食品ですね。焼くと脂質が多くなるから、お刺身がいいかな。
日本人の魚離れが懸念されている今日、ダイエットをきっかけに今一度見直してみてはいかがでしょうか。
お肉類もビタミンB6を多く含むものがあります。
食品成分 | 重量 | ビタミンB6 | エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 |
g | mg | kcal | g | g | g | |
サーロイン/赤肉、生 | 100 | 0.5 | 177 | 21.1 | 9.1 | 0.6 |
牛レバー | 100 | 0.89 | 132 | 19.6 | 3.7 | 3.7 |
ぶたもも/赤肉、生 | 100 | 0.41 | 143 | 21.4 | 5.5 | 0.2 |
若鶏ささ身/ゆで | 100 | 0.63 | 134 | 29.6 | 1 | 0 |
ぶたヒレ、焼き | 100 | 0.76 | 223 | 39.3 | 5.9 | 0.4 |
若鶏むね、皮つき、焼き | 100 | 0.6 | 233 | 34.7 | 9.1 | 0.1 |
せっかくなので、魚と成分を比べてみましょう。
左から、かつお、くろまぐろ、牛レバー、若鳥ささみ、豚ヒレ、若鳥むねだよ。

ささみは、やはりダイエットに適した食品ですね。(左から4番目だよ)
お気づきになりましたか?
ビタミンB6を多く含む食品は、タンパク質がたくさんあることに!しかも、ほとんどがタンパク質20g越えです。この量は、糖質制限中(炭水化物制限中)の方や、筋肉トレーニング、ランニングなどの運動後に推奨されているタンパク質量なんです!
タンパク質をプロテインだけでなく、ビタミンB6を多く含む魚のお刺身や、鶏肉のゆでなどでタンパク質を摂ることもおすすめです。
ダイエット時の毎日の食事、気になりますよね。
このように食品の栄養素を分析すると、ダイエット中に大事で摂るべき食品がよくわかりますよね。
今日から、毎日の食事の中にお魚を摂るようにしてみてください。
魚の料理が苦手な方は、宅配で冷凍切り身を取り寄せるのもいいですね。
一人暮らしで、なかなかお魚を食べれない方は、サプリメントでビタミンB6を補給するのはいかがでしょうか。
タンパク質も摂りながら、ビタミンB群を摂るのがダイエットには非常に良いことですので、食事を見直してダイエットを成功させましょうね。

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